『はたらくおじさんの生きる今』 Bitter, Sweet & Beautiful/RHYMESTER
アルバム: Bitter, Sweet & Beautiful
アーティスト: RHYMESTER
リリース: 2015/07/29
こんにちは。今日も元気に生きています!笑
さてさて今回はライムスターです!
僕が大好きなライムスターです。
彼らを初めて知ったのは、神輿ロッカーズでした。
そう、僕はキックからライムスを知ったのです(笑)
キックについてもまたいつか書きたいですが、今日はライムスターです。
中3で出会い 現在(二十歳)までずっと聴き続けております。まさしくお世話になっています。
今日はそんなライムスターが2015年にリリースしたアルバム『Bitter, Sweet & Beautiful』について書きていきます。
なんというか、まず題名からして大人っぽいですよね。
そしてジャケからもそれは漂っています。
そんなこのアルバム。僕がの感想はこうです。
『はたらくおじさんの生きる今』
さあそれでは一曲ずつ感想を書いていきます
1. Beautiful - Intro
さあ一曲目。こちらはライムスターではおなじみのイントロですね。今回はbeuatifulのトラックを用いていますね。このトラックを出しておくことでこれがメインと分かり、ここに二人のラップがのることへの想像を膨らますことが出来ます。さあここから始まります。
2. フットステップス・イン・ザ・ダーク
実質的な一曲目。初めの曲であるが全体を見渡した曲。宇多丸師匠はこの曲のリリックを一番最後に書いたと言っております。曲調は暗めですね。ですがしっかりとラップを載せているので、暗闇の中の力強さを感じる曲に仕上がっています。まさしく最初の曲にふさわしいですね。
3. Still Changing
全曲とは打って変わった明るい曲です。2016年一発目の発表の曲ですね。たしかレーベル移動してから一発目だったと思います。この曲はDさんもさることながら宇多丸師匠が炸裂していますね。「迷えば普通先人に問うが こちとらとうに前人未到さ」が一番痺れました。師匠、かっこいい。
4. Kids In The Park feat. PUNPEE
つづいてのこの曲も明るめの曲です。公園をテーマにそこで行われることやそれを通しての成長について歌ったものですね。PUNPEEがHOOKで参加していますが、これがいい味を出しています。あまりPUNPEEを聴いたことがなかったのですが、なんと耳障りの良い声だこと。「子供にできて大人にできぬわけなどないさ 僕らはできる」まさしくその通りですね。
5. ペインキラー
KREVAのトラックの一曲。この曲が初めてのKREVAプロデュースらしいですね。たしかにトラックからクレバ臭がします。「心臓」あたりに入っていてもおかしくなさそうな感じです。甘いトラックです。アルバムの中でも一番落ち着いている曲ではないでしょうか。好みが分かれるのかな? なんて思いました。
6.Beautiful-Interlude
こちらは一曲目と同じく、beautifulのトラックを使った繋ぎですね。一度クールダウンを促すかのような、そんな意図を感じられます。ここから中盤戦がスタートする、といった感じでしょうか。
7. SOMINSAI feat. PUNPEE
きました、PUNPEE客演二曲目ですね。初めて聴いた時は「なんじゃこのトラック!」と驚きました。ノリにくいのかノリやすいのか、なんて心配しましたが、聴けば聴くほどノレる曲です。HOOKはみんなで歌えそうな仕上がりになっています。宇田丸師匠のバースが一番好きですね。PUNPEEのけだるいラップも超かっこいいですが。
8. モノンクル
これもプロデュースはPUNPEEです。「おじさん」をテーマにした、ライムスターらしい曲です。こういうテーマならJINさんがラップしても面白いんじゃないかなあなんて想像しました。聴きどころはDさんの「おじさん」ですね。リズム使いがうまいです、さすがです。
9. ガラパゴス シングル(PV作品)の中ではこれが一番好きですね。トラックはBACHLOGICです。なんてたってかっこいい。まさしく日本語ラップのアンセムです。日本語でラップする覚悟やかっこよさを前面に打ち出した曲です。ガラパゴス(独自の進化)を良しとする、いや良しとするというか肯定するというスタンスでしょうか。最後のDさんのバースが響きました。
「君は違う。何が違う? 何か違う 何かが違う。その違いを誇れ異端児たち 黙らせろあのアンチたち」
10. The X-Day
このアルバム唯一のMr.Drunkプロデュースですね。Dさんのトラックが好きなので本当はもっと聴きたいのですが、その分この曲に濃縮されています。綺麗なトラックだ、と僕は思います。まるで何かの映画を見ているような気分になれる曲です。僕はピクセルという映画を思い出しました。宇宙からゲームのキャラが地球を侵略しにくるという内容の映画です。とても聴きやすい、でも深い。
11. Beautiful
おそらく一番綺麗なトラックでしょう。このアルバムの中でも最も大事な曲の一つでしょう。「美しくあること それが唯一のプロテスト」と宣伝文句にもあるように、ここに言いたいことが詰め込まれているのだと思います。1や6に同名の曲もあります。それほどこれメインの曲なのでしょう。ですが、アルバムを通して聴いた時、僕にはあまり印象に残らなかったというのが正直な感想です。聴き心地の良さが故でしょうか。残念です。ただこの先の曲は少し雰囲気が変わるので、その分岐点という意味でも大きな意味を持っている曲です。
12. 人間交差点
ここからの三曲の流れがたまりません。短い用事をする時は、ここから再生したりします。ああ、終わりに向かっているんだなあ、なんて感じさせられます。この曲はお二人のラップがどちらも素晴らしい。お互いを高め合っているような印象があります。最後には掛け合いもあるので、本当に好きです。ライブで盛り上がるんだろうなーと想像しています。僕も言いたいです。ヘイヘイヘーイ
13. サイレント・ナイト
人間交差点のポップさとは打って変わったトラックです。しんみりするような、夜を連想させるような。まさしくサイレント・ナイトという題名にぴったりです。ぴったりだからそういうタイトルになったんでしょうが(笑) 1バース目のDさんの「止めないで My babies your daddy's alraight 心配ない My babies just have a good night」の歌い方がたまりませんね。ここでDさんに惚れ直しました。宇田丸師匠の「誰よりも 何よりも 愛してんだ自由を」もぐっときました。これを聴きながら寝たくなります。だがそうはさせてくれないラストチューンが待っています。
14. マイクロフォン
「マイクロフォン」なかなか挑戦的なタイトルな気がします。全てのラッパー、いやミュージシャンが使うその機械。それをアルバムのラストに持ってくるなんて。だが、そこにこそライムスターの覚悟が見えると思います。ラッパーというマイク一本でのし上がる世界で常にトップランナーを走ってきた彼らだからこそ言える言葉が詰まっています。サビもいいですが、各バースもたまりません。特に宇田丸師匠のバースは「ラストバース」に似た勢いと力強さを感じられます。「武器は剣? いや ペン+マイクロフォン」なんて、ほんとうラッパーしか言えない言葉じゃないでしょうか。
「そうさ棒さ ただの棒さ されど人生棒にふる価値ある棒さ」
こんなことを言えるDさん、さすがです。これまでずっと日本語ラップを牽引してこられたからこそ言えることですね。このアルバムの中でも一番のパンチラインだと思います。
以上で全曲感想は終わりです。
全体を通して思ったことは、さすがライムスター、ということです。
どんどんコンセプトアルバムとしてのクオリティーが上がっていますね。
このアルバムは現代のコンセプトアルバムの中でも最高峰ではないでしょうか。
アナログが大好きな彼らだからこそ、20年以上このフィールドで戦ってきた彼らだからこそ、このコンセプトでここまで素晴らしいアルバムを作れたのでないでしょうか。
まさしく「はたらくおじさんの生きる今」です。
次作はいつでしょうかね。楽しみです。